こんにちは。 さいたま口腔リハビリテーション歯科クリニックです。

皆さまは「硬いものを食べると顎が鍛えられる」と聞いたことはありませんか？
たくさん噛むことは大切だとよくいわれていますが、硬いものを食べることは本当に良いことなのでしょうか。
今回は、硬いものを噛むことのメリット・デメリットについてお話しします。

大切なのは「よく噛むこと」

成長期の子どもは、噛みごたえのあるものをよく噛んで、顎の骨や筋肉の発達を促すことが大切です。
子どもの頃にやわらかい食べ物ばかり食べていると、顎の骨が十分に発達せず、歯並びや噛み合わせに悪影響が生じる場合があります。
特に18歳ごろまでの成長期には、さまざまな硬さの食べ物をバランスよく取り入れ、噛む回数を増やすことを意識するようにしましょう。
噛む回数が増えることで、顎を健康的に鍛えられます。

大人も子どもも「噛む回数」がポイント

たくさん噛むことによって、以下のような効果があります。

脳の活性化

よく噛むことで、顔の骨や筋肉が動いて、血流が良くなります。それに伴い、脳への血流も増えるため、脳細胞のはたらきが活発になります。
これによって反射神経や集中力、記憶力、判断力がよくなり、老化や認知症の予防にも効果があります。

食べ過ぎの防止

よく噛んで食べることで、少量でも満腹中枢が刺激されて満足感を得られるため、食べ過ぎを防げます。
1口30回程度を目安に、時間をかけてよく噛むことを意識しましょう。

噛む回数を増やして唾液の分泌を促そう

たくさん噛むと、唾液が多く分泌されます。唾液には、以下のような効果があります。

消化を助ける効果

唾液には、消化を促進する消化酵素（アミラーゼ）や、消化器官が傷付かないように、食べ物を包み込むはたらきのある物質などが含まれています。そのため、唾液には消化を助けるはたらきがあります。

むし歯や歯周病予防

唾液には抗菌作用や殺菌作用を発揮する酵素が含まれており、むし歯や歯周病予防にも効果的です。
唾液には、お口の中の健康を守るはたらきもあります。

硬いものばかり噛み過ぎると良くない？

硬いものばかり食べると、歯に大きな負担がかかり、その結果歯が欠けたりひびが入ったりすることがあります。
歯の根元にひびが入ると、細菌が入り込み、最悪の場合は抜歯になることもあります。
また硬いものを噛み過ぎると、顎の筋肉を酷使し、肩こりや頭痛、顎関節症などを生じる場合があります。
そのため、硬い食べ物の食べ過ぎには注意しましょう。

まとめ

よく噛むことは、脳の活性化や、食べ過ぎを防いだりと、健康につながるよい効果がたくさんあります。ただし硬いものを噛むことは、歯や顎に負担がかかるため、注意が必要です。
また、噛むときに顎が痛いといった症状がある場合、顎関節症の可能性があります。当院では、薬物療法や理学療法など、患者さんに合わせた適切な顎関節症の治療方法を提案しています。気になる症状のある方はぜひお気軽にご相談ください。