こんにちは。 さいたま口腔リハビリテーション歯科クリニックです。

皆さまは食べ物を飲み込む時に、飲み込みにくさを感じたことはありませんか？
食べ物を飲み込み、お口から胃へと運ぶ一連の動作のことを「嚥下（えんげ）」といいます。嚥下機能は、年齢とともに低下しやすくなりますが、若い方でも起こることがあります。

今回は、嚥下機能低下の原因とそのケア方法についてお話しします。

嚥下障害とは？

嚥下障害とは、食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる状態のことです。
主な自覚症状には、食べ物がのどに引っかかる感じや痛み、体重減少、食事中にむせるなどがあります。
本来、食べ物や飲み物は食道を通って胃に運ばれます。しかし、嚥下障害があると、誤って気管に入ってしまう「誤嚥（ごえん）」が起きやすくなります。
誤嚥が起きると、飲食物や唾液に含まれる細菌が気管を通って肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるため、注意が必要です。

年代別にみる嚥下機能低下の特徴

20～30代

20～30代では、ストレートネック、むし歯や歯周病などが嚥下機能低下の主な原因です。

スマートフォンやパソコンなどを長時間使用して、姿勢が悪い状態が続くと、ストレートネックになりやすくなり、嚥下に必要な筋肉の動きが制限されます。また、顎が上向きになりやすいため、飲み込んだ物が気管に入りやすくなり、むせたり飲み込みづらくなったりします。
また、むし歯や歯周病があると、お口の中の細菌が気管に流れ込むことによって、誤嚥性肺炎を起こすリスクが高まります。

40～50代

40〜50代になると、老化が主な原因となって嚥下機能が低下しやすくなります。
筋力の低下や唾液の分泌量の減少、また咽頭や食道の粘膜が薄くなることなどにより、嚥下機能が低下しやすくなります。
また、飲食物が誤って気管に入る誤嚥のリスクも高くなります。

60代以上

高齢になると、むし歯や歯周病が原因で歯を失うことが多くなります。加えて舌の運動機能や咀嚼（そしゃく）能力、唾液の分泌量なども低下します。
その結果、お口の中の筋力が衰えたり、感覚が鈍くなったりすることで、食べ物をのどに送り込む力が弱まり、嚥下障害が起こりやすくなります。

ケア方法

嚥下機能の低下は、毎日のオーラルケアや正しい姿勢によって予防が可能です。

20～30代の方は、普段から正しい姿勢を意識し、食事の際は一口ごとに30回以上よく噛むことや、食後には丁寧に歯みがきをすることをおすすめします。

40代以上の方は、これらに加えてお口やのどの筋肉を鍛える筋力トレーニングを取り入れることも効果的です。
また、歯を失う原因となるむし歯や歯周病といったお口の病気の早期発見・早期治療のために、定期的な歯科検診も大切です。
お口だけでなく全身の健康も定期的にチェックすることで、さまざまな病気の早期発見や予防にもつながります。

まとめ

嚥下機能は、加齢によって低下しやすくなります。嚥下機能が低下すると、食事が思うようにとれずに栄養不足になったり、誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、日頃からお口の老化を予防することが大切です。
当院では病気や加齢により、食事がうまく飲み込めなくなった方々への精密な検査をはじめ、より良い食事環境を目指したリハビリテーションなどを行なっています。
嚥下機能とお口の健康に特化した治療を行なっていますので「食べる時にむせてしまう」「食べ物が飲み込みにくくなった」などお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。