摂食嚥下機能検査について

何が問題で飲み込みに障害が出ているのか、検査によって調べることが大切です。

当院では病気や加齢により、食事がうまく飲み込めなくなった方々へ精密な検査をはじめ、よりよい食事環境となることを目的としたリハビリテーションなどを行なっています。
飲み込むこと(嚥下)に問題がある場合は、食べることが楽しめずおっくうになり、栄養状態も悪くなっていきます。まずは何が問題で飲み込みに障害(嚥下障害)が出ているのか、検査によって調べることが大切です。

こんなお悩みありませんか?

  • 食べる時にむせてしまう
  • 食べ物が飲み込みにくくなった
  • 飲み込んだ後に咳がでる
  • 食後に痰がでる
  • 口からの食事を受け付けなくなった

お口から食べる幸せは、生きる楽しみでもあります。
上記のような症状のある方は、当院にご相談ください。

摂食嚥下機能検査について

「嚥下障害」はのどに違和感を感じたり、水や食べ物が飲み込みにくくなったりするだけではなく、水や食べ物が胃ではなく肺のほうへ行ってしまい、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という病気になってしまうこともあります。
当院では、嚥下機能を検査する方法として「スクリーニング検査」「嚥下造影検査(VF)」と「嚥下内視鏡検査(VE)」を行なっています。

摂食嚥下機能評価/スクリーニング検査

認知・食事形態・呼吸機能・発声・頸部運動・顎舌口腔機能・口腔衛生状態・咽頭機能などをさまざまな計測機器を用いて数値化し、客観的・総合的に評価します。
嚥下機能検査は「RSST(反復唾液嚥下テスト)」や「MWST(改訂水飲みテスト)」を行います。
併せて、食べ物を用いた「フードテスト」や「ミールラウンド(食事の観察)」を行う場合もあります。
当院では口腔機能を評価するさまざまな機器を備えておりますので、各機能を数値化して客観的な評価をすることができます。

料金(税込み)

摂食嚥下機能検査料金(税込み)
スクリーニング検査22,000円

RSST(反復唾液嚥下テスト)

繰り返し嚥下を行う能力を見る検査。患者さんは座位で30秒間に空嚥下をできるだけ繰り返します。空嚥下が30秒間に2回以下であれば機能障害を疑い、さらに検査が必要になります。
※嚥下造影検査(VF)と比較した場合の感度は0.98、特異度は0.66

MWST(改訂水飲みテスト)

3mlの冷水を注射器で口腔底に注入し、嚥下を指示。その後、空嚥下を2回指示します。
嚥下ができない、呼吸切迫やむせ、湿性嗄声(痰がからんだようなガラガラ声)が出た場合は1~3点。
問題なく嚥下、さらに追加嚥下可能で、4~5点。
3点以下は機能障害を疑い、精密検査が必要になります。
※嚥下造影検査(VF)と比較した場合の感度は070、特異度は0.88

【評価基準】
1. 嚥下なし むせる 呼吸切迫
2. 嚥下あり 呼吸切迫
3. 嚥下あり 呼吸良好 湿性音 嗄声または、むせる
4. 嚥下あり 呼吸良好 むせない
5. 4に加えて、反復嚥下が30秒以内に2回可能

嚥下造影検査(VF)

飲み込む動作(嚥下)になんらかの障害がある場合、嚥下造影検査(VF)と呼ばれるレントゲン検査を医師の監視下のもとで行います。
検査用の食べ物(バリウムを含んだ液体や食物)を飲み込んでいただき、口やのど、食道をX線で透視することにより、食事を飲み込んでいる様子を見ていきます。
検査は食べ物を飲み込む様子を観察するだけなので痛みなどはありません。
嚥下内視鏡検査(VE)では観察が難しい不顕性(むせ込まない)誤嚥の診断に有効です。

【VF中に評価する4つのポイント】
1. 食塊の動態(咀しゃく・食塊形成・移送)
2. 食塊先端の位置
3. 誤嚥または口頭侵入の同定(嚥下前・嚥下中・嚥下後)
4. 口腔または咽頭残留の量と位置

【NIH-Swallowing Safety Scale】 0:なし 1:ありで判定
1. 咽頭蓋谷の残留
2. 下咽頭から前庭への咽頭侵入
3. 梨状窩の残留
4. 梨状窩から咽頭前庭への咽頭侵入
5. 上部食道の食塊通過
6. 誤嚥

点数が高いと障害が重度であることを示します。口腔機能の状態と合わせて判定を行います。

嚥下造影検査

嚥下内視鏡検査(VE)

鼻腔から細いファイバースコープをのどに挿入し、咽頭部の形や動きの状態を直視下で観察する検査です。実際に飲食物を嚥下していただき、咽頭を食物が通過していく状況を観察記録し、気管に入ったり残留しやすいかなどを調べます。また、日常的に、のどに痰や唾液がたまりやすいかなども、観察することができます。
VE検査は鼻からファイバースコープを挿入するため、多少の違和感があります。
この機器は持ち運びが可能なため、ご自宅や施設等に出向いての対応(訪問歯科診療)も可能です。
※咽頭や喉頭の器質的な疾患に関しては専門の医療機関の受診をお願いしています。

【VE評価】
VEによる嚥下機能評価は兵頭スコアを使用します(各項目 0~3点で評価)

1. 唾液貯留
2. 咳嗽反射(がいそうはんしゃ)の惹起性(じゃっきせい)と声門閉鎖
3. 嚥下反射の惹起性
4. 嚥下後のクリアランス

[7点以下]経口摂取可
[8点]リハビリにて検討
[9点以上]経口摂取困難

VE検査

訪問診療での嚥下内視鏡検査(VE)について

病気や障害などで病院に通院することが難しい方を対象として、訪問歯科診療での嚥下内視鏡検査や摂食嚥下リハビリを行なっています。
医療従事者や患者さんご本人の他に、ご家族、介護者の方からのご相談も受け付けています。気軽にご相談、お問い合わせください。

訪問歯科診療での検査

摂食嚥下リハビリテーション・食事指導

フリーアプリを用いて情報共有と嚥下リハビリの情報を他業種と連携して共有します。
検査後のフォローを大切にしていますので、お一人おひとりに適切な短期目標と長期目標を立てて「リハビリ計画」をご提案します。
嚥下評価検査結果・VF動画・VE動画・リハビリ動画・リハビリ記録などを患者さんの主治医と共有して、先生の意見を伺いながらリハビリに取り組みます。
摂食嚥下リハビリ訓練を行うことによって食べる機能が改善し、お口からの食事量が増加してきます。その結果、栄養状態が改善されて食べる楽しみも増え、QOL向上につながります。
※Quality of life(クオリティ オブ ライフ)は「生活の質」「生命の質」などと訳されています。

介護食

診療のご予約はこちら

口腔内のお悩みやお口のことで気になることがあれば
さいたまメディカルタウンビル2Fの歯医者
「さいたま口腔リハビリテーション歯科クリニック」にご相談ください。
当院は摂食嚥下とお口の健康に特化した「生涯おいしく食べる」をサポートする歯科医院です。